【1】夜明けのKISS BACK | INDEX | NEXT |
12月30日。夕食を終えたひなたは、家族と一緒にリビングでテレビを見ていた。 「そういえば、ひなたは誰かと初詣に行くのかい?」 ひなたの父親がテレビから視線を外し、ひなたを見つめた。 「うーん。特に、用事入ってないなぁ…昨日葵ちゃんに会った時は何にも言ってなかったし」 「そうか。私と母さんは1日に兄弟のところに挨拶周りに行ってくるが…ひなたも行くかい?」 「うーん、暇だし行こうかな」 ひなたがそう言ったところで、テーブルに置いてあった携帯が音を出しながら震えて誰かからの着信を伝えた。 「パパ、ちょっと出るね…もしもし?」 『あ、ひなた?』 「葵ちゃん。どうしたの?」 『昨日言い忘れた事あってね。31日の夜、ライブが終わった後龍の家で打ち上げしながら年を越そうって話してたんだけど、ひなたも来ない?女が私だけじゃつまらないのよね』 「31の夜?夜にお寺でも行くの?」 『そうねー。皆が行く気になったら、だけどね』 「うーん、パパに聞いてみるから1回電話切るね」 『ん。分った。いい返事期待しているわ』 電話を切って携帯をテーブルに戻すと、再びテレビへと視線を向けた父親へと声を掛けた。 「パパ。葵ちゃんが31日の夜に遊びに来ないかって言ってるんだけど、行っても良い?夜にお寺に行くか、泊まって次の日初詣に行く事になると思うんだけど…」 「31の夜かい?…うーん。次の日の初詣は良いとして、31日か…」 口元に手を当てて、眉間に皺を寄せてひなたの父親は考え込んでしまった。 「駄目なら1日に初詣だけでもいいよ?」 「あら、いいじゃない。高校生になったんだし、お友達と迎える新年も良いと思うわ」 キッチンから湯飲みを三つお盆に載せて持ってきたひなたの母親が、リビングに入ってきながらそう言った。 それぞれの目の前に湯飲みを置いて、自分の分を手に取るとソファに座った。 「うーむ…分った…ただし、女の子二人で夜中出歩くのは危険だから、坂下さんの親御さんか誰かがついて来れないなら行かないこと。いいね?」 「うん。分った。パパ、大好き」 嬉しそうな笑みを向けて、父親に抱きついた。 早速葵に電話を掛けると、遊びに行ける事を伝えた。 葵も電話の向こうで嬉しそうな声を上げ、明日の夕方ひなたの家まで迎えに来る事を伝え電話を切った。 「ひなた。お茶を飲み終わったらお風呂に入っちゃいなさい?もうお風呂入れてあるから」 「はぁい」 次の日、ひなたはクローゼットを漁っていた。 スカートにするか、ズボンにするか、それだけの事でゆうに三十分は悩んでいた。 普段、優柔不断ではないひなたは、服を選ぶ事に関してだけはなかなか決める事が出来ないでいた。 家族と出かける時はいいのだが、友達と出かけたりする時はどうしても即決する事が出来ないのだ。 外は寒いかな? もしも夜中に出かけるなら少し暖かい格好したほうが良いよね? 歩くならブーツよりスニーカーの方が皆に迷惑かけないよね? うーん…どうしよう、決められないよぉ… そんな事をひなたが悩んでいると、不意に部屋の扉が開き母親が姿を現した。 「あらあら。派手にやってるわねぇ。これじゃぁ、片付けるのにまた時間が掛っちゃうんじゃない?」 クスクス笑いながらと部屋の状況を見て入口に凭れかかる。 「だってぇ。決められないんだもん」 「ちょっと外は寒めだけど、スカートにしたら?ベッドに置いてあるその赤いチェックのやつ。可愛いわよ?上はセーターがいいんじゃない?この前買った薄いピンクの」 「でも、夜出かけるなら寒くない?」 「何言ってるの。おしゃれは我慢よ!…ってどこぞの評論家が服装チェックの時に言ってたわよ?それに、好きな子と出かけるならなお更可愛い格好しなくちゃね」 そう言ってウィンクを飛ばした母親をひなたは驚いた顔をしてじっくりと見つめた。 「え…何で知ってるの?」 「あら。カンで言っただけよ。葵ちゃんも一緒なのは本当だろうけど、他にも人がいるんでしょう?」 「…うん。LUNAのメンバー4人と葵ちゃん…男の子が一緒に居たら、やっぱり夜に遊びに行っちゃ駄目かなぁ?」 不安そうに母親を見つめるひなたに優しい笑みを浮かべて近寄った。 ポンと頭を軽く叩いてひなたの瞳を覗き込んだ。 「ひなたの初めての彼。それに大好きな友達と一緒に年を越す。いいんじゃない?私は止めないわよ。お父さんにも黙っていてあげるわ…でも、羽目は外さない事。高校生らしく過ごす事…良いわね?」 「うん、ママ。約束は必ず守るよ。有難う」 「いい子ね。そろそろお昼になるから、部屋を片付けて着替えてリビングにいらっしゃい?」 「はぁい」 母親が部屋から出ていくと、選んでもらった服だけを残して綺麗にクローゼットの中へと服を仕舞った。 服を着替えてリビングへ行くと、既に昼食の支度が出来ており、父親も椅子に座って新聞を読んでいた。 「さ、ひなた。椅子に座って?冷めないうちに食べちゃいましょう?」 その言葉に父親も新聞を横に置くと、ひなたが椅子に座るのを待って手を合わせて箸を持った。 「いっただきまぁす」 ひなたも手を合わせて箸を持つと、目の前のおかずに手をつけ始めた。 「ひなた。坂下さんは何時ごろ来るんだい?」 ご飯も食べ終わってすっかり片付けも終わった頃、声を掛けられてひなたは父親の方へと振り向いた。 ダイニングのテーブルからひなたの居るリビングのソファへと向かってくるのを見ながらひなたは僅かの間思考を巡らせた。 「うーん、確か五時頃って言ってたかな」 「そうか。…ひなた、これ。一日早いがお年玉だ」 そう言って差し出して来た小さな袋と父親の顔を交互に見た後に、にっこり笑って袋を受け取った。 「有難うパパ。大切に使うね」 「今日明日出かけるんだ。その足しにでもしなさい」 そう言ってひなたの頭を撫でるとリビングから出て行った。 夕方になって葵が龍次の車でひなたを迎えに来た。 ブーツを履いていると、ひなたの両親が玄関に見送りに出て来た。 「坂下さん、ひなたの事よろしくお願いしますね」 「えぇ、勿論です。大切な娘さんをお借りします。外に車を待たせていますので、そろそろ…」 「あぁ、そうだね。ひなた、坂下さんの家に迷惑掛けるんじゃないぞ?」 「分ってるよぉ。行ってきまーす」 「行ってらっしゃい。気をつけて」 「それでは。おじさん、おばさん。良いお年を」 「坂下さんも、良いお年を」 ひなたに手を振る二人に笑みを向けて、一礼するとひなたを連れて龍次の待つ車へと乗り込んだ。 車が見えなくなるのを見送ると、ひなたの両親は家へと戻った。 「坂下さんはしっかりした子だな。ひなたと同い年とは思えないな。彼女が一緒に居てくれたら安心だろう」 「えぇ、そうですね」 父親のいう言葉ににっこりと笑って母親も頷く。 知らぬが仏。 そんな事を母親は思いつつ、父親の後を歩いてリビングへと入った。 葵の社交術はどうやら同年代だけでなく、年上にも通用するようだった。 龍次の車に乗せられて、そのままひなたはライブハウスへと連れて行かれた。 まだライブまでは時間があるので流石にファンはまだ来ていないらしく、中にすんなりと入ることが出来た。 中にはスタッフらしき人たちと、先に来ていた海斗・透・暁の三人が設営を手伝っていた。 「こんにちわ〜」 ひなたの声に気付いて三人は入口へと顔を向ける。 「お、ひなたちゃん。終業式ぶり〜。元気してた?」 ニコニコと笑顔を振り撒きながら、ひなたに近寄る透。 その後ろを海斗は黙って歩き、暁は笑ってヒラリと手を振った。 「もちろん、元気だよ。透君も元気そうで何より」 「当然。元気だけが取り柄だからね、俺は」 「透。それは自慢でも何でもないから」 暁が透の後頭部を軽く小突きながら冷静なツッコミをする。 そんな二人を可笑しそうに見た後、海斗へと顔を向けた。 「海斗君も、終業式振り。元気そうだね」 にっこりと笑って言うひなたに海斗は視線を向けた後「まぁな」と一言だけ言葉を発した。 ひなたの言葉に驚いたのは他の人たちだ。 『えぇぇぇ?!』 と4人は見事にはもらせ驚きの声を上げた。 「なんだよ」 そんな皆に冷たい目線を送り、素っ気無く海斗は言った。 「だって、終業式からもう一週間近く経つんだよ?デートとかしないわけ?折角の冬休みだってぇのに」 皆の気持ちを代表するかのその言葉に、一同『ウンウン』と頷いた。 その様子を見ながらひなたは何も言わずに苦笑いを浮かべた。 「終業式までに約束するのを忘れたからな」 あくまでもサラリと言う海斗に透は思わず足を踏み鳴らした。 「だぁからって!幾らでも約束は出来るだろ?今は携帯っつうすんばらしい文明の利器があるわけ。電話するなりメールするなり、連絡は取れたでしょうが」 「…冬休みが始まって一週間近く、ひなたと一緒に居たのは誰だったっけな」 その場の空気が凍りついてしまいそうな低い声で海斗はそう言うと、クルリと踵を返して設営をしているスタッフの方へと歩いて行った。 海斗の言葉に透・暁・龍次の頭の上に『?』が飛んでいる。 そんな中、葵が苦笑いを漏らしながら静かに手を上げた。 「…私、ずっとひなたと遊んでたわ…」 『葵ちゃぁ〜〜〜ん!!!!』 葵の言葉に皆思わず脱力してしまい、その場にしゃがみ込んだ。 「だってぇ。折角の冬休みだし、ひなたと沢山遊びたかったんだもの」 「まぁ、過ぎちゃったものはしょうがない。でも、冬休み中ずっとひなたちゃんを独り占めしてたら駄目だからな?」 ビシっと透に指を差され、益々苦笑いを浮かべた。 「…はぁい」 いかにも渋々と言った様子の返事だ。 ――――こいつ、そのつもりだったな? そんな言葉が皆の脳裏を掠めたのは、仕方のない事かもしれない。 ライブが始まると、ひなたと葵はLUNAの控え室でライブの音だけを聞いて楽しんでいた。 ひなたが海斗と付き合うようになったと言う事は既にファンの間に知れ渡っており、それを快く思っていないファンは少なくない。 フロアでライブを楽しみたいのは山々だが、そうもいかないのが現状だ。 皆が演奏している姿を見られないのは残念だが、控え室にもファンの熱や皆が演奏する音が空気が伝わってきて、ひなたはそれだけで十分だった。 それに最近になって海斗の歌が変わってきている。 ひなたはそれを感じていた。 まだ僅かな変化ではあるが、これからもっと良いボーカルになるとひなたは思っていた。 海斗の変化を感じられるのが、ひなたにとって一番うれしい事であった。 「そう言えば、最近海斗ちょっとはトークするようになったわねぇ…」 MCの時間になり、透の声が聞こえてきた頃。 葵がポツリとそんな事を呟いた。 「うん、そうだね。相変わらず言葉は少ないけど、前よりずっと話すようになったよね」 「ひなたのお陰かしら?」 「まっさかぁ…私は何にもしてないよ」 「そうかしら?」 「そうだよ。海斗君が自分で殻を破って外に出始めているだけ」 「…そのきっかけを作ったのはひなたでしょう?」 「確かに、きっかけを作ったかもしれないけど…でも、私が居なくても海斗君は変わってたと思うよ。LUNAの皆も、葵ちゃんも居るんだから」 「あーん、もう何ていい子なの?!海斗にはもったいなさすぎるっ」 そんな事を言いながら、葵はひなたに抱きついた。 ひなたがクスクスと笑いながら葵を抱き締め返すと、MCが終わってゆったりとした曲が流れ始めた。 海斗の歌い方が変わった中でももっとも顕著に現われているのはバラードだ。 ファンの間でもそれはにわかに囁かれており、以前にも増してライブ中にうっとりと海斗を見つめるファンも居るほどだ。 「言葉に出すのも態度で表すのも駄目なくせして、バラードだけはしっかりと気持ちが現われているのね…不器用な奴」 葵の言葉に静かな笑みを浮かべて、ひなたはそっと瞳を閉じた。 「はいはいはい。皆お疲れお疲れ〜〜〜!!!」 ライブが終わって龍次の家に戻ると、それぞれが持参した飲み物や葵とひなたが作った料理をテーブルにならべ早速グラスを鳴らした。 ライブ後の興奮が冷めて居ないのか、調子に乗って龍次の酒に手を伸ばそうとした透の手を葵はピシャリと叩く。 「未成年でしょ」 「硬い事言うなって。年越しだよ?無礼講でしょーー??」 「何言ってるの。無礼講なんて甘い顔した上司の罠でしょうが」 「…何それ」 「飲み会の席で上司が言う無礼講なんてね、本当に無礼講なわけないって事。羽目を外したら後になってきっちり仕返ししてくるのよ?…社会に出たら気をつけるのね」 「うっは。厳しい世の中って奴ですか?」 「そうよ」 相変わらずな二人の遣り取りを笑いながら見て、それぞれに料理を食べ色んな会話を交わしている。 今日のライブの事だとか、来年からのスケジュールだとか。 もちろんそれ以外にも話題は出るが、ライブを終えた後だからか、話題はバンド活動の話しへと流れがちだ。 大分打ち上げも盛り上がってきた頃、ひなたがテレビのリモコンに手を伸ばした。 「もう少しで年越しだね。テレビ付けたらカウントダウンとかやってるよね」 「そうだな。気づかない内に年を越しちゃうのもなんだし、テレビでも付けようか」 ひなたの言葉に暁が賛同すると、他の人もそれぞれ頷いた。 龍次に至っては、お酒が飲めれば何でも良いのか、一人黙々と酒を飲んでいるが。 「ちょっと、龍ったら飲みすぎなんじゃない?」 「そうか?普通だと思うけどな」 「太っても知らないわよ?」 「太ったって、葵は俺のこと嫌いにならないよなぁ?」 「さぁ、それはどうかしらね?」 にっこりと笑う葵に、思わず龍次は頬を引きつらせた。 すっかり葵にベタ惚れな龍次は、とことん葵には弱いのだった。 二人の将来が見えた気がする。 そんな事を思ったのは隣に居た透だけじゃないだろう。 ひなたはテレビを付けて、一番から順にチャンネルを変えていく。 お笑いタレントが出ているもの、アイドルのコンサートの様子を中継しているものと色々あるが、ひなたがチャンネルを止めたのはクラシックのところだった。 何故にクラシック? それぞれが突っ込みたかったが、嬉しそうにテレビを見つめたひなたに誰も言えなくなってしまった。 「…何でこの番組なんだ」 一人だけ例外が居た。 ひなたの隣に座っている海斗が冷ややかに言葉を発した。 「えー。だって、これ凄いんだよ?12時ぴったりに演奏が終わるように指揮者の人頑張ってるんだからー。一秒も間違えずに終わらせるのって難しいと思うんだよね」 「ふぅん」 海斗は全く持って興味ないのか、気のない返事をすると、ひなたから視線を外してテーブルの料理に手を伸ばした。 部屋の中にはゆったりとクラシックが響き、カウントダウンしようという空気ではない。 まったりムードになっており、龍次に至っては酒+クラシックの魔力か、うとうととし始めていた。 テレビ画面の端には時計が表示されており、後僅かで年が明けようとしている事を伝えていた。 音楽もどんどんと盛り上がりを見せ、クライマックスへ向かっている。 何故か皆話をするのを止め、テレビを見入ってしまっていた。 時計が画面に大きく表示され、残り五秒を告げた。 5…4…3…2…1 時計が12時を指すと同時に音楽もぴたりと鳴り止んだ。 「へぇ…凄いもんだな。ちゃんとぴったりに終えられるんだな」 暁が感心したような声を上げると、一同コクリと頷いた。 「あっ、すっかり忘れてた。皆さん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞ、よろしくお願いします」 ひなたがふかぶかと頭を下げると、それに釣られたように皆『おめでとう』『今年もよろしく』などと言いながら頭を下げた。 テレビでは新しいクラシックが流れ始めており、テレビを誰も消さないので何となく付けたままになっていた。 クラシックのせいなのか、はたまたライブで疲れたのか。 気づけば皆こたつに入ったまま眠ってしまっていた。 ひなたがトイレに目を覚ますと、外がほんのり明るくなって来ているところだった。 トイレから戻ってくると、こたつに海斗が居ない事に気づいて部屋を見渡すと、ベランダに居るのに気づいた。 「海斗君、風邪引くよ?」 コートを羽織ってベランダに出ると、コートすら着ていない海斗へキッチンで入れた暖かいコーヒーを差し出した。 「あぁ、サンキュ」 コーヒーを受け取って一口飲むと、また遠くへと視線を戻した。 「一人で何やってたの?」 「何って別に。夜が明けるのを見てただけだ」 「そっか」 ひなたは笑みを向けて頷くと、自分の分のコーヒーを飲んだ。 段々と空が白んできている。 海ではもう日が昇ったのかもしれない。 「…ちょっと、寒いね」 小さく身震いしてそう言ったひなたを引き寄せると、後ろからすっぽりと包み込んだ。 「少しはマシだろ」 「うん。ありがとう」 すっかり冷えてしまっている海斗の腕に頬を摺り寄せた。 暫く経つとビルの隙間から太陽が顔を出し、すっかり夜が明けたのを告げた。 「太陽、昇ったね」 「あぁ」 海斗の腕の中で身体を反転させると、下からにっこりと笑みを向けた。 「今年も、よろしくね?」 そう言って背伸びをすると、海斗の頬に小さくキスを一つ落とした。 ひなたの行動に僅かに驚いた顔を見せた後、目を細めてひなたを見遣った。 「あぁ、こちらこそ、よろしく」 見上げてくるひなたの唇にそっとキスを降らせた。 そんな二人の様子を実はこたつで寝ていたはずの4人は見ていたのだった。 嬉しさと妙な気恥ずかしさとを心に秘めて。 「新しい年というよりは、新しい海斗の幕開けって感じかね」 ニヤニヤと笑いながら言う透の言葉に頷いて、三人は戻ってきそうな二人の気配を察して寝たふりをしたのだった。 終 |
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