【4】契約の証 BACK | INDEX | NEXT
リンネの部屋に来ると、ヴラド結界を張り誰も入って来れないようにした。
脇に抱えたリンネを放り投げるようにベッドへと下ろした。

「あの…ヴラド、さん?」

リンネ上に圧し掛かり、両手首を掴みベッドに貼り付けた。

「お前は俺のものだ。見合いをしたくないって言うなら俺がこの家から攫ってやる。お前をこの家の呪縛から開放してやる。魔術が使えなくて危険な目に会うというなら俺が守ってやる。だから、お前は俺を選べ」

そう言って啄ばむように口付けを落とす。
強引な事をしている割には、やはりリンネに触れる唇は優しいものだった。

「私は、守られるより、守りたいです…」

「なら、魔術が上達するように俺が教えてやる。そこら辺の魔導士より俺のほうが優秀だぞ?」

ヴラドの口付けは唇から移り、頬、額、顎と顔中を埋め尽くした。

「お前に、俺の証を刻み付ける。誰にも奪わせない。お前は、俺のものだ」

もう何度この台詞を言っただろうか。リンネに言い聞かせるように、何度も俺のモノだと主張する。
首筋に移った唇は、時折強く肌を吸い上げリンネの白い肌に紅い印を散らした。

「嫌なら真名を言って抵抗しろ。真名を呼ばれたら俺は逆らえないからな」

突然の事に驚いているのか、抵抗する様子の無いリンネの手首を開放し、服へと手を滑らせた。

「ヴラド、さん…あの…」

「その名じゃ俺は止めないぞ」

そう言って、ヴラドはシャツのボタンに手をかけた。


「魔導士として落ちこぼれと言われようが、逆に天才魔導士だろうがそんな事は関係ない。俺は、リンネの魂に惚れたんだ」

「ブラドさん…」

未だに自分の状況が理解できていないのか、それともヴラドを受け入れるつもりなのか。
リンネは抵抗する事なくヴラドの行動を受け入れている。

ヴラドは服を肌蹴させ、露わになった胸の内側にキスを落とした。

「魔族と人間は寿命が違う。たとえリンネが皺くちゃのバアサンになっても俺は手放すつもりはない」

「…どうして、そう言い切れるのですか?」

リンネからの質問に、ヴラドは胸から顔を上げて瞳を見つめた。

「魔族は人間と違って一番大事なのは自分だ。自分を守る為なら相手を殺す事も厭わない。だが、極稀に自分よりも大切だと思う相手と出会う事がある。自分の君主だと認めた相手ならば自分の一生を掛けてその相手に忠誠を誓う。自分の伴侶だと思った相手は一生を掛けてその伴侶を愛しぬくんだ。普段が非情な分、執着する相手を見つけたときは尋常じゃない…そして、俺が出会ったのがリンネ、お前だ。だから、俺はお前が死ぬその時まで手放すつもりはない」

真剣な表情でそう言い切ったヴラドを見詰め、リンネは何も言う事が出来なかった。
ふと二人の間に僅かな沈黙が落ちた。

「何故、泣くんだ」

リンネの瞳から、一雫、透明な液体が流れ落ちた。

「分りません…でも、他でもない私が必要なのだと、誰かに言われたかったのかもしれません…」

そっと瞼を閉じたリンネの瞳からもう一雫零れた。

「そんなの、幾らだって言ってやるよ。聞き飽きるくらいにな。だから、俺を選べ。この家でなく、お前だけを必要としている俺をな」

ヴラドは目元にそっとキスを落とし、涙を吸い取るように優しく啄ばむ。
唇は頬を滑り、ふっくらとしたリンネの口へと降りた。

始めはそっと触れるだけ。段々と唇で啄ばむようなものに変わった。
何度も何度も繰り返していると、ゆっくりとリンネの腕がヴラドの首に回った。

リンネがヴラドを自分の意思で受け入れた瞬間だった。

「ん…」

ゆっくりとヴラドの舌が唇の輪郭をなぞって行く。
僅かに開いた唇の隙間から、そっと舌が差し込まれた。

歯列を優しくなぞり、口内を愛撫していく。
どうしたら良いか分らず、戸惑っているリンネの舌を絡め取り根元を舌先で嬲った。

リンネから鼻から抜けるような甘い声が漏れ始めると、更に舌への愛撫を強めていった。

深く口付けをしたまま、リンネの身体をゆっくりとなぞって行く。
胸へと手が辿り付いた時にはピクっとリンネの身体が震え、ヴラドは唇を離した。

「怖いか?」

「あ…少し…あの、こういう事、した事がないので…」

「そうか。なるべく痛くないようにするから、ただ俺に身を預ければいい」

「はい」

リンネが頷いたのを確認すると、ヴラドは身体への愛撫を再開した。

優しく胸を揉み、首筋、鎖骨に紅い痕を残しながら胸へと唇が降りていく。

胸の内側の膨らみに辿り付いた時、ヴラドは牙を立てた。

「っ!」

突然の痛みにビクっとリンネの肩が揺れた。

「ワリィ。痛かったか?」

胸に二つ穴が開き、そこからジワリと赤い血が溢れてくる。
それを愛撫するように舐め取っていく。

「ぅ…ん…大丈夫、です…ちょっと、驚いただけですから…」

暫くその傷を舐めていると、血は出なくなりその代わりに胸に薄っすらと模様が浮かび上がってきた。

「リンネ、見てみろ。俺のモノだという印だ」

そう言われて胸の辺りに視線を向けると、ヴラドの目の下にある模様と同じモノがリンネの胸に浮かび上がっていた。

「ヴラドさんと同じ、ですね」

「そうだ。俺との契約の証だ」

満足そうな笑みを浮かべると、再び胸へと顔を埋めた。

胸の感触を楽しんでいた手が不意に胸の先端を掠めるとリンネの身体が震え、喉の奥で音が鳴った。

「っ…ぅ…」

掌で転がされるように触られ、段々と突起が固く屹立してくる。
親指と人差し指で突起を摘み、擦り合わされるとリンネの喉が鳴り、ビクンと身体が揺れた。

「声、我慢するなよ。俺に可愛い声を聴かせろよ」

右手で突起を弄びながら、左手でゆっくりと唇の輪郭をなぞり、口の中に指を差し入れる。

無理やり開かれた口から、甘い声が漏れ始める。

差し入れた指を引き出し、もう一つの胸を寄せるように押した。

「ぁっ…ん…」

既に固く尖っているもう一つの突起を口に含まれ、コロコロと舌で転がされる。
時には甘噛みし、それを癒すようにまた舌でねっとりと嬲る。

一度開いた口は閉じる事無く、甘い声を上げ続ける事しか出来ない。

胸の突起を弄んでいた右手が、ゆっくりと脇のラインをなぞり下へと降りていく。
スカートへと手を掛けて、そのまま一気に足から取り去った。

「ゃ…ヴラドさん…恥ずかしい、です…」

「恥ずかしいとか思わないぐらいに夢中にさせてやるよ」

胸から顔をあげ、不敵な笑みを浮かべてそういうと再び突起を口に含んだ。

胸を愛撫しつつ、下着の上から優しく溝を撫でる。
ゆっくりと溝をスライドさせるように撫でると、徐々に下着は湿って行きクチュリと卑猥な音が漏れた。

「ぁっん…は…っ…」

リンネは気づかない内に下着を脱がされており、今身に着けているのは腕に引っかかった状態のシャツだけになっていた。

溝の上の小さな突起を指の腹で撫でると、リンネの膝が震えた。

「はぁんっ…ゃ…何が…?」

初めての体験する感覚に、リンネの思考は追いついていけない。
縋る様な瞳をヴラドへと向ける。

「心配するな。女の一番感じる部分だ」

そういって、胸から腹へとキスを落として行きながら下腹部へと徐々に移動していく。

「あぁっ…ヴラドさん、そんな…っ…汚い、です…」

ヴラドの手管に朦朧としているうちに、何時の間にかヴラドの顔が足の間にあり抵抗する事無くあっさりと秘所の突起を舐め上げられた。

「お前に汚いところがあるわけないだろ?」

それだけ言うと、再び舌で突起を舐る。
最初は優しく、段々と愛撫を強めていく。

「あっんぅ…ヴラド、さん…おかしく…なっちゃいます…はぅっ…」

「おかしくなっちゃえよ。俺でもっと感じろ」

そう言って、突起を舌で嬲りながら指を一本中へとゆっくり挿入した。

「ッ…指だけでもキツイな…」

「ゃぁ…ヴラドさん、何…んっ…」

ヴラドはその問いには答えず、ゆっくりと指を動かし始めた。
突起への巧みな舌技に既に中から熱い蜜がトロトロと外へ溢れていて、指の動きを助けている。
指が動くたびにクチュクチュと卑猥な音が鳴り、リンネの身体は羞恥から朱に染まっていった。

「あぁっん…ふ…ヴラド、さん…あっ…何か、身体が…」

ヴラドの愛撫に合わせてキュっと内壁が指を締め付ける。
キツイ内部が更にきつくなり、傷つけないように指を動かす。

「ぁ?…イきそうなのか?」

「イきそう…ですか?…あぅっ…」

「そうなんだろ。…イかせてやるよ」

そう言うと、更に愛撫を強め、内壁を指で擦り上げていく。
先ほど見つけたリンネの感じる部分を執拗に指の腹で擦ると、ビクビクとリンネの身体が震えた。

「はぁっ…ヴラド、さんっ…あっあっ…あぁぁんっ!!!」

一際大きな嬌声を上げ、背をしならせた後ぐったりとベッドへ沈み込んだ。

ブラドは中から指を抜き出し、身体を上方へと移動させた。

「リンネ、大丈夫か?」

リンネは焦点が合っていない様子で、ぼんやりとヴラドを見つめた。

「ぁ…あの…今のは、一体…」

「イったんだろ。気持ちよかったか?」

「イった…今のが…」

後の問いには頬を染めてコクリと頷いた。
それに嬉しそうな笑みを浮かべて、チュと音を立ててヴラドはリンネにキスを落とした。

「リンネ、いいか?…お前の中に入りてェよ…」

熱い瞳で見つめられながらそう言われて、益々リンネの頬が紅潮する。
一瞬の間を置き、リンネはコクリと頷いた。

「リンネ、俺のモノだ…絶対離さないからな。俺から離れたくなったら俺を殺せ。ただ逃げただけじゃ、地の果てでも追いかけてやる」

「私は、逃げません。ヴラドさんが私を必要としている限り」

リンネの言葉に、口端に笑みを浮かべる。

「リンネ…力、抜いとけよ。必要以上に痛くしたくねぇからな」

「はい」

リンネはふぅ…と息を吐いて、極力力を抜くように努めた。
ヴラドはキスを落としながら、熱い猛りをぬかるんだ秘所へと宛がうとゆっくりと中へ押し進めて行った。

「ッ…」

まだほんの少ししか入っていないが、身を裂くような痛みに思わずリンネの身体に力が入ってしまう。
その事によって余計に猛りの進入を困難なものへとしてしまう。

「ッ、キツイな…リンネ、痛いか?」

痛みからか涙で瞳を潤ませながらも力なく横に首を振る。
そんな健気な様子にヴラドは眉間に皺を寄せた。

「やっぱ、いてぇよな…ホントは俺だけで気持ちよくさせてやりたかったが…しかたねぇ…」

そう言うと、ヴラドは掌をリンネに翳した。

「ヴラドさん、何を?」

「人の感覚を鈍らせる魔術だ。痛みを感じない代わりに、気持ち良さも感じねぇけどな。少し経ったらちゃんと術は解くから、それまで我慢してろ」

「はい」

「いい子だ」

優しい笑みを浮かべると、ヴラドは一気に腰を押し進めた。

「…リンネん中、やべぇ位に良いわ…」

息を大きく吐き出すと、ヴラドはそう呟くように言った。

「そう、ですか?」

「あぁ…やっぱ、唯一の女の中っつーのが余計にいいのかもな…」

「はぁ…?」

「ったく、リンネは冷てぇな。そこで甘い言葉とか出てこねぇ訳?」

「と、言われましても…」

「はぁ、もういい。そのうちリンネから俺にずっと傍に居てくれとかそういう台詞が出てくるように仕込んでやる。…そろそろいいか。術、解くぞ?」

「あ、はい。…ッ!」

術が解かれた途端に、下半身から来る鈍い痛みに思わず片眉を顰めた。

「やっぱ、まだ痛いか…直ぐに痛みも分からない位に気持ちよくしてやるよ」

ヴラドはそう言って、両手で胸を包み込み優しく揉み、指の間で突起を擦った。

「ぁ…ん…」

僅かに甘い声が漏れ始めたところでゆっくりと腰を動かし始めた。
始めは痛みに顔を顰めていたが、胸への愛撫と深い口付けに徐々に頬が紅潮し、口からは甘い声しかあがらなくなった。

「あぁっ…んっ…」

段々と激しくなる律動に、思わずヴラドの背に縋りつくように腕を回した。

「リンネ…気持ちイイか…ハッ…」

「はぁっん…ヴラド、さん…あんっ…また、何か…」

「リンネ、イきそうなのか?そう言うときはイくって言うんだよ…」

益々激しくリンネを揺さぶり、律動に揺れる乳房にも愛撫をしていく。

「ぁんっ、あぁっ…はぅ…ヴラド、さん…も、イっちゃいます…っ…」

「あぁ、イけよ…俺も、そろそろ…」

「あっあっ、あぁんっ…はんっ…ああああぁっ!」

「ック…リンネ…」

一際大きな嬌声を上げてヴラドの背に爪を立てると、中の猛りを締め付けた。
それと同時にヴラドもリンネの中に熱い白濁を吐き出した。












その後、リンネはヴラドと共に家を飛び出した。


『私はヴラドと共に世界を巡る事にします。私の事はもう忘れてください。 リンネ』

置手紙を机の上に残して。

リンネが父親に逆らったのはこれが最初で最後の事だった。


この置手紙を見たライズは憤慨し、一族にリンネ捜索を命じた。
世界をマタに掛けたリンネ&ヴラドと一族の追いかけっこが始まったのだった。

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